最近,大麻の栽培等による逮捕者が続出しています。
大麻(=マリファナ)とは,七味唐辛子の中の種で有名になったように,実はただの麻です。
麻は,人間の生活にとって欠かせない植物ですが,あるときは禁圧されて魔女のように扱われます。
麻は,吸引すると一般的に気持ちよくなり,大麻取締法が極めて重い刑罰を定めていることから,たとえば覚せい剤と同じようなものだと思われています。
しかし,麻は学問的にも法律的にも「麻薬」ではありません。
精神的身体的な依存性はありません。
吸い続けても耐性上昇(次第に摂取量が増えること)はほとんどありません。
麻はそもそも身体に有害ではありません(どれだけ多量に摂取しても致死量すら想定できない)。
中毒症や胎児への影響もなく,犯罪や暴力行動を誘発する薬効もありません。
麻の摂取による人への具体的悪影響は科学的にまだ実証されておらず,お酒やタバコの有害性とは比較にもなりません。
覚せい剤等の危険な薬物へのステップになるとか,暴力団等の違法な収入源になるといった批判もありますが,これらは麻を厳しく取り締まっている結果です。
むしろ,マスコミなどで危険視されているはずの麻が,全然中毒にならないことを実体験でつい知ってしまい,覚せい剤も同じようなものだろうと考えて破滅する人さえ出てきます。
麻を無条件に解禁してよいものかは,私にはわかりません。
しかし,私たちの常識とか善悪の観念に基づく規範ほど諸刃の剣となりやすく,新たな魔女を生み出すことがあるのも確かです。
様々な愛称を持つ麻は,ときに特別な感情を込めて女性の名でこう呼ばれます。
「メリー・ジェーン」と…
(『事務所ニュース 2009年2月号』より)
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