先日,埼玉県立浦和高校で講演をしてきました。
ご存じ県内有数の進学校です。
これは,埼玉弁護士会の「刑事弁護の充実に関する検討特別委員会」で行っている法教育活動の一環として,県内の高校を中心に,刑事弁護や人権についての特別授業をするものです。
私は,こうした法教育活動を毎年いろいろな学校で行っています。
今回の浦高の授業は2日間に分かれ,1日目の授業で私が刑事裁判について講演し,間をおいて2日目の授業では,刑事裁判に関する議題で生徒たちのディベート大会が開かれ,私はその審査員として講評を行うのです。
なんというか,この時点でもう「さすが浦高」という感じです。
私が講演のテーマに選んだのは,「日本の刑事裁判の問題点~裁判員制度で何が変わり,何が変わらなかったか~」でした。
講演の中身の話は,別の機会に譲りますね。
とにかく,私自身の意見は控えめにして客観的な解説を心がけました。
私の講演を受けて,後日のディベート議題は「裁判員制度を廃止すべきか?」でした。
生徒たちはYESとNOに分かれて討論しますが,自分がどちらの立場に立つかは,授業当日の最初のジャンケンで決まります。
つまり,事前の準備はYES・NO両方の立場でしておかなければなりません。
人ごとながら,大変だったでしょうね~。
さて,今回のディベートの結果は,大差で「YES(裁判員制度は廃止すべき)」側が勝利しました。
(※勝敗判定は生徒全員によるジャッジで決まります。)
といっても,どうやら最初のジャンケンの時点で,既に勝負は決していたみたいです。
何しろ,ジャンケンに勝つともうガッツポーズ,ジャンケンに負けると海より深~く落ち込んでいましたから。
みんな「裁判員なんて,やりたくない!」という素朴な感覚が強くて,裁判員制度に積極的な意義を見出せなかったようです。
うーん,そこか……。
ま,普通はやりたくないし。素直が一番です。
現実の法律は,一度出来てしまうと,そう簡単に廃止なんかされてくれません。
世の中は素直じゃないですね。
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