埼玉弁護士会の夏休み企画で,毎年,小中学生を対象としたサマースクールを開講しています。以前から所属している「人権のための法教育委員会」の活動ですので,私も企画や準備のお手伝いから当日の講師役まで引き受けます。今年は7月31日,さいたま市内の30名弱の小学校5,6年生たちが参加してくれました。
この講座では,子どもたち4~5名のグループをその場で作って,そこに弁護士が1名か2名参加して,一緒に1時間くらいの討論をします。私が参加したグループは,たまたま女の子ばかりでした。
そのグループの話し合いテーマは,
「どうやったら戦争はなくなるのか。どうしたら平和になるのか。」
です。
そんな難しいテーマで小学生が弁護士と討論できるのか?
……それが,できるんです。それも,結構いけるんです。私は別にM属性ではありませんが,やり込められて思わず嬉しくなることもあります。こんな感じです。
吉 岡:「みんなは,どこか嫌いな国ってあるの?」
Aさん:「中国と韓国。国旗を燃やすとか,あり得ない。」
Bさん:「私は中国。無理やり領土を取ろうとしてるし…。」
吉 岡:「じゃあ,今ここに日本語の話せる中国人と韓国人の小学生の女の子たちがいたら,話すのも嫌? すぐ喧嘩になると思う?」
Aさん:「喧嘩はしなーい。超~話したい。」
Cさん:「絶対仲良くなれるよね。わたし,自信ある!」
小学生一同:「うん,うん」
吉 岡:「子どものみんなは仲良くできるのに,どうして大人はできないんだろう?」
Dさん:「だ~か~ら~,大人はすぐ欲をかくからダメなんだよ。立場とか建前とかばっかりで,喧嘩みたいな議論するから,ちゃんとした話合いができなくて仲良くなれないんじゃん。」
吉 岡:「おっしゃるとおりで……」
Aさん:「それに,お金が絡むしね。」
Bさん:「お金もそうだけど,土地(領土)でしょー。」
吉 岡:「(ちょっと意地悪して)でもさぁ,Bちゃんは領土のことで中国が嫌いなんでしょ。なんで中国の小学生とは仲良くできるわけぇ? おかしくなぁぃ?」
Bさん:「それ,関係ないし(ぴしゃりと)。領土のことは,戦争じゃなくて裁判みたいので決めたらいいんじゃない?」
吉 岡:「……(小声で)参りました。」
この続きでは,国や私人間の紛争について当事者以外の第三者を介して話し合うことの意義を討論し,ちょっと背伸びして,私から国際司法裁判所の話などもしています。
皆さんも,弁護士とこんな楽しい議論をしてみませんか?
子ども向けだけなく,大人向けの出張講座やお茶会などのお呼ばれも歓迎していますので,ご予算は気にせず,是非お気軽にお問い合わせください。
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