台湾なんかでは,歩いていると道端になっているバナナを見かけたりします。
で,こういうのを見ると,よく「バナナの木」と言ってますが,違います。
まず,「バナナの木」なんて,おそらくこの世に存在しません。
実は,バナナは木に見えますけど,あれは「草」です。
木の幹のように見えるところも,葉っぱみたいのが重なり合ってできた「茎」。もっと正確に言うと,本当の茎は地下にあり,幹のように見えるのは「偽茎」と呼ぶそうです。
ちなみに,バナナは草だから,果物ではなく野菜なんじゃないか,という話もあります。
このバナナ,漢名は「芭蕉(ばしょう)」です。そう,松尾芭蕉の芭蕉なんです。
なんで俳人の名前がバナナ(芭蕉)なのかは諸説あるようですが,私たちがイメージするところのバナナにちなんだ,わけではなさそうです。
というのも,芭蕉は,たしかにバナナ(の仲間)のことなのですが,日本で普通に「芭蕉」と言った場合は,私たちが考える果物のバナナとはちょっと違う種類の草(木)を指すのです。
芭蕉は食用バナナよりも寒さに強いので,日本でも探せば割とそこら中で見付けられます。ただ,見た感じが,いわゆる食用バナナの草(木)とそっくりなので,芭蕉のことを知らないと「こんなところにバナナが生えてる!!」と思って結構驚きますね。
食べる方のバナナは,実芭蕉と呼んで区別することが多いみたいです。(芭蕉の実も,どうにかこうにか上手くすると食べられるらしいです。)
では,西遊記に出てくる「芭蕉扇」はご存じですか?
牛魔王の妻である鉄扇公主(羅刹女)が持つ秘宝で,大風を起こして火焔山の燃え盛る炎を消すことができるとされています。この芭蕉扇を巡って,孫悟空とチチ,じゃなかった鉄扇公主や牛魔王が大バトルを繰り広げるのです。
その芭蕉扇も,バナナの葉の形に似ていたのか,バナナの葉から作られていたのか,それとも,高級扇と言えばバナナ(型)でしょ……てなことが当時の常識だったのか分かりませんが,なんにせよバナナなんです。あと,西遊記に,かめはめ波は出てきません。
と,ここまで来てやっと本題ですが,年々,ブログの炎上や名誉毀損的な書き込みの削除など,ネット上でのやり取りの中で生じたトラブルの相談が増えています。
弁護士として一定の法的対応の仕方はありますので,どうにもならなくなる前にご相談ください。着手が早ければ早いほど,良い解決につながります。
もっとも,顔の見えない匿名環境は,自覚の薄いままに,極めて悪質な犯罪者や悪ノリしたネットストーカーを生み出します。時機に遅れた安易な対応は,火に油を注ぐことになりかねない難しさがあります。
ネットは,いわば燃えやすいガソリンの撒かれた山。いつ炎上するか分からないのです。
芭蕉扇のように,ネット上に燃え盛る炎を消してくれる秘宝や特効薬があるといいですよね。
大体,炎上するような書き込みをする人は,カーッとなって周りが見えない状態で,自分の主張をひたすら連投するという精神状態です。自分で自分が見えていません。
書き込みをする前に,芭蕉扇つながりで美味しい台湾バナナでも食べて一息つくように気をつけていれば,それでもう最初から火なんて付かないのです。
だから,バナナは炎上に効くんです。
けどそこ,別にバナナじゃなくてもよくない?
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