今年もクリスマス・イヴを迎えます。
日本では,「1年で最も多くのカップルがHする日」とか言われちゃってますが,もちろんイエス・キリストの誕生を祝うはずの日です。(誕生日は違うんですけど。)
しかし,「一緒にイヴを祝おう」なんて甘い言葉を囁いて,とりあえず酒を飲ませて予約したホテルに……とかって,それ何を祝ってるんですか?
まったくもって,うら,けしからん。
大体,クリスマスの前日の夜に「クリスマス・イヴを祝う」とみんな言いますが,どうして前夜を祝うんでしょうか?
たいていの日本人は,これを新年のカウントダウンみたく考えて,25日のクリスマスになる0時ちょうどの瞬間を大切な人と一緒に迎えて祝うために,その前夜を一緒に過ごすんだ(という口実でお泊まりに誘うんだ)と思っているようです。
自分は真面目なキリスト教徒だという友人から,そのようなことを聞かされて言葉に詰まったこともあります。
これ,違いますからね。
そもそも,イヴは前夜じゃありません。クリスマスです。
イヴ(Eve)の語源は`Evening'と同じ。日没後の意味です。
「だったら『前夜』でも大体あってるからいいじゃん」と思うかもしれませんが,そうじゃないんです。
イヴは,もうクリスマス当日なんです。「前」じゃないんです。
キリスト教で用いられる教会暦では,日没と同時に日付けが変わるんです。
なので,キリスト教で言うクリスマスは,24日の日没から25日の日没までが正確です。
つまり,クリスマス当日になった瞬間である24日の日没(夕方)を祝うことから,クリスマス・イヴと言われるんです。
だからイヴは,もうクリスマスなんです。クリスマスそのものをクリスマス当日に祝っているのであって,前夜を祝っているのではありません。
まぁ,日本では教会暦を使っていないので,公式の暦で25日に切り替わる0時ちょうどをもって「クリスマスになった瞬間」を祝うんだと言うのなら,それは必ずしも間違いではないでしょう。
ただ,もしそうであれば,言葉本来の意味でのクリスマス・イヴは,日本には初めから存在しないのです。単に「クリスマスを祝う」と言うべきです。
あるいは,25日の日没(夕方)であれば,もしかすると日本の暦でのクリスマス・イヴだと言えるかもしれませんけど,なんか祭りの終わりを祝うような哀しいことになるでしょう。
いずれにしても,12月23日をイヴイヴとかって言われると,もう何が何だか判りません。
で,クリスマスと言えばサンタクロースなわけで,誰かプレゼントください。
いや,それはおいといて,サンタクロースの起源ではないかと言われているのが「聖ニコラオス」というキリスト教の聖人です。
無実の死刑囚を救ったなどという数多くの伝説を残す人物です。
そのクリスマスの近づいた今月18日に死刑の執行をした日本政府の面々には,間違ってもクリスマスやサンタクロースの話題で笑顔を振りまくのはやめてほしいなと思います。
来年9月頃には,マザー・テレサが「聖人」に列せられることが決まったそうです。
彼女の偉大さや素晴らしさを否定する人は,日本のどこにも,誰も,いないでしょう。
そして,彼女が日本の死刑制度に強く反対するであろうことは,誰しも想像に難くありません。
なのになぜ,彼女の伝えた「愛」を理解できるはずの私たちは,まだ死刑制度を廃止できないままなのでしょうか。
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