勾留の期間を過ぎると,その後はどうなるのでしょうか。
勾留中に捜査を続けた結果,検察官は,勾留期限(満期)までに被疑者の処分を決めます。
処分を決めるのは検察官であって,警察官ではありません。
取調べで警察官がよく口にする「認めれば罰金にしてやる」「俺から検事さんに頼んでやる」などの言葉は,すべて嘘です。
警察官には処分を考える権限がないので,何の根拠もありません。
検察官が,犯罪の充分な証拠がないなどの理由で,不起訴や起訴猶予だと判断すれば,被疑者を釈放します。
軽い犯罪で被疑者が罪を認めている場合は,罰金刑の略式裁判をしてから釈放します。
重い犯罪や,軽い犯罪でも被疑者が罪を認めていない場合などには,検察官が被疑者を起訴します。
起訴(公訴提起)とは,検察官が被疑者を刑事裁判に訴えることです。
起訴されると,刑事裁判を受けることになります。
被疑者は,呼び方が被告人に変わります。
裁判中は,保釈されない限り,起訴される前と同じように勾留が続き,家には帰れません。
そして,刑事裁判の判決は,99%以上が有罪判決です。
こうしてみると,逮捕されるとほとんど勾留されてしまい,起訴されるとほとんどが有罪になるということがわかります。
この現実に立ち向かうためには,逮捕の瞬間から,できるだけ早く,少なくとも被疑者のうちに,刑事弁護を得意とする弁護士に相談し,弁護人を選任して一緒に戦っていくことが必要不可欠なのです。